柔道整復師として働いていて「実際に働いてみて後悔している…」と悩んでいる人や、これから柔道整復師を目指そうとしている人は「本当に柔道整復師になって後悔しないんだろうか…」という不安を抱えている人もいることでしょう。
この記事では、柔道整復師として7年働いた筆者が以下のことについて解説していくよっ!
今ある悩みを解決し、より豊かな人生を送るためにも、ぜひ最後までご覧ください!
柔道整復師になって後悔したこと・大変だったこと5選
筆者は柔道整復師として、ブラックな接骨院に3ヶ月⇨整形外科に2年⇨接骨院に5年の、合計7年間働いていました。
さまざまな特色を持つ職場で働いた経験をもとに、柔道整復師になって後悔したことや大変だったことを、実際のエピソードをもとにご紹介していきます。
これから目指す人には「こんな大変さもあるんだ」という部分を参考にしていただき、現職の人には「同じツラさを抱えているのは自分だけじゃないんだ」と共感してもらえると嬉しいです。
題材が暗めだから、少し暗いテンションになっちゃったらゴメンナサイ!ほねたろの経験談もツラめだから余計に心配だよ!
理想と現実のギャップが激しい
どの職業にも言えることで恐縮ですが、自分が抱いていた理想と現実とのギャップは、柔道整復師にも漏れなくあります。
当時、柔道整復師になりたての僕は、「どんなケガも対応できるようなスゴい柔整師になるんだ!」と意気込んでいましたよ…
そんな意気込みを打ち砕くかのごとく、最初に勤めた接骨院に来る患者さんは、5割が腰痛、4割がただのコリや疲れ、残り1割が何かしらのケガ、という割合でした。
本来、柔道整復師の業務は保険適応内でマッサージを行うことはできません。
しかし、ほとんどの接骨院は「ほぼマッサージに等しい行為」をケガの後療法として行います。
1割の患者さんはケガで来院されますが、そこまでヒドい状態の人はおらず、いてもすぐ整形外科に紹介して終わりです。
当然ながら固定や整復等の技術は身につかず、当時思い描いていた「スゴい柔整師」とは程遠い未来にたどり着く姿しか浮かびませんでした…
専門学校時代の同期からも内情をよく聞いていましたが、ほとんどの接骨院は(怒られちゃいますが)非常に低レベルで、在学中に習った教科書の内容はほぼすべて必要なくなります。
このように、柔道整復師になる前に理想を高く持ってしまうと、多くの人が現実とのギャップの激しさに面食らってしまい、後悔しがちです。
僕がガチンコで5年働くことになった接骨院では、解剖・生理・運動・病理・一般臨床・整形・リハなど、ほぼすべての知識がフルに必要だったんですがね…
拘束時間が長く自由時間が取れない
柔道整復師の勤務時間はおよそ8時間と、一般企業とあまり変わりありません。
しかし、昼休憩が長い代わりに夜まで働くことが多く、就業後の気が休まる時間が少なくなりがちです。
もちろん就業時間の長さは職場によって異なりますが、同業である以上、そこまでの差は生まれないはず。
- 月~金:9:00~13:00 / 15:00~19:00
- 土:9:00~13:00
- 日祝:休み
大体の職場は、上記の営業時間から±2時間程度の差しかないはずです。
昼休みはご飯を食べた後に体力の回復を図るために仮眠をしたり、何かしらの勉強をしたり、午後の営業準備をしたりで、すぐに時間がなくなります。
一般企業の人からすると「昼寝する時間があるだけいいじゃないか!」と言われそうですが、体力仕事なので昼寝しないとキツいんですよ…
接骨院と一般企業とを比べると、どうしても拘束時間が長いため、自由時間の少なさに絶望することもしばしばあります。
趣味に費やす時間はほどほど取れればOKなタイプで、「この道で生きていくんだ」という強い意志がないと、なかなか一生は続けられません。
給料が低すぎる
先に僕の初任給の手取りをお伝えしておきますが、16万円でした。静岡県の接骨院でしたが、低すぎ!
会社組織で運営しているグループ接骨院や、都市部の接骨院、整形外科では別ですが、個人経営のこじんまりした接骨院に勤めてしまうと、給料は低くなりがちです。
厚生労働省が運営する「job tag(外部リンク)」をもとに、給与データを簡単にまとめました。
- 年齢別の年収(全国)
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- 20~24歳:313.25万円
- 25~29歳:390.72万円
- 30~34歳:426.46万円
- 給与額別の人数割合(全国)
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- 1位:24~25.9万円(約11.08%)
- 2位:22~23.9万円(約10.91%)
- 3位:26~27.9万円(約10.80%)
整形外科のときは1年目が21万、2年目は22万、最後に働いた接骨院は1年目が16万(また…)、2年目が19万、3年目が20万、4年目以降は23万でした。全然平均値以下!
週5日+半日働いてこの給料ではかなり苦しく、しかも医学書を月に最低1冊以上(医学書はめちゃ高い)買っていたので、余裕は本当にありませんでした。
「自分の価値はその程度しかないのか」と、明細を見るたびに柔道整復師になったことを後悔していたのをよく覚えています。
人の身体に触れることで生まれるリスクが大きい
柔道整復師は、人の身体に触れる仕事である以上、確実にリスクが伴います。
筆者が経験したことで言えば、筋肉が著しく退化してしまった80代後半の高齢者に対して行う、大腿骨頸部骨折後の後療法時のことです。
正直なところ、体力や筋力がまだあり、脳の萎縮による症状もほぼない高齢者なら話は別なのですが、死期の近さがうかがえる高齢者に対してできる後療法は、そこまで多くありません。
軟膏を塗りながら軽擦法をし、血流を良くして疼痛緩和を図る。体力が著しく低下しているため、運動療法は行わず、観察のための無理のない可動域確認のみ。(非常にゆっくり、痛みが一切ない範囲で)
事件が起こったのは、後療法を1週間ほど続けた日。その患者さんが帰宅後に急な痛みを訴えたそうで、50代の息子さんから電話が来て「お前が何か変な施術をしたからだろ!訴えてやる!」と言い出しました。怖すぎる。
カルテにも施術録をしっかりと書いていましたし、無理な運動療法等はまったくしていなかったため、院長は徹底抗戦をしてくれました。
結果的におおごとに発展しませんでしたが、初のクレームに僕はビビってしまい、帰ってから1人涙しながら「こんなリスクがあるなら柔道整復師を続けたくない!」と思ったことは、今でも鮮明に覚えています。
これは同業の友人談なのですが、いかがわしい触り方は一切していないのに、女性にセクハラだと言われた子もいました。まったく事件性はなかったため大丈夫だったそうですが、怖い話…
狭い人間関係が疲れる
小規模な職場では人間関係が良くも悪くも密接になるため、ストレスの原因になることがあります。
信頼関係が構築できるような良い上司、院長に当たればいいのですが、中には挨拶もまともに返さず、施術録もロクに残さないような職務怠慢な上司に当たることも。
僕はその上司と、もう1人暗めの上司、院長、受付のおばさんの、計5人で働いていました。その職場は3ヶ月で辞めましたが…
職場をしっかりと選ぶ準備を怠った自分が悪いのですが、入ってみないと分からないこともあるため、半分は“ガチャ”だと思ったほうがいいでしょう。
嫌な上司と週5日+半日一緒にいるともなれば、柔道整復師になったことを後悔するのも無理はありません。
柔整師を目指さないほうがいい&仕事を辞めたほうがいい人の特徴
筆者自身の経験に加え、同業だった友人の話をもとに、柔道整復師を目指さないほうがいい人、現職の人で辞めたほうがいい人の特徴をご紹介します。
仕事を辞めたほうがいい人については、きっとその人が柔道整復師を続けても、あまりいい未来になる想像ができないので本章の内容に含めました。
他人とコミュニケーションを取れない人
他人とのコミュニケーションが取れないというのは、即刻直さないといけないレベルで柔道整復師として致命的です。
柔道整復師は、患者さんのその日の状態をうかがい、ただ楽しく世間話をしていればいいわけではありません。
円滑にコミュニケーションが取れるかどうかは、信頼して身体を預けられるかどうかに深く関わります。
患者さんの身体はとても正直です。
少しでも信頼できないと思う人に対しては、楽しく会話をしているように見えても、筋肉は緊張ぎみになります。
無意識に防御反応が出ている患者さんに対しては、こちらがどれだけ良い手技を施したとしても、良い結果はまず出ません。コレ重要。
最初はうまくコミュニケーションが取れないのは当然ですが、必死になってコミュニケーションスキルを身につけようとする姿勢が持てない人は、一生かけても良い結果は残せないため、柔道整復師は諦めたほうがよいでしょう。
ちなみに僕は、5年勤めた接骨院の院長に最初「ほねたろ君って、冷たい人間だよね」って言われました。他人に興味を持てないタイプの人間だったんですよね。
今は全然違いますよ!むしろ人当たり良いよねって初対面の人にも言われるくらいになりました。嬉しい。
完全週休2日・定時退社を求めている人
前述のとおり、接骨院で働くと拘束時間が長く、休日も少なくなりがちです。
しっかりと休みを求める人は、柔道整復師にならずに会社員になりましょう。
友人との予定も組みづらいですし、彼氏・彼女との時間も作りづらいんですよね。
「しっかり休める接骨院で働けばいいじゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、そんな接骨院は非常に稀なのが現状です。
柔道整復師に限らず、専門職系の仕事は休みを求める人には不向きです。絶対やめましょう。
同僚がいる楽しい職場で働くことを思い描いている人
求人数が多く、店舗の大きいグループ系の接骨院に入る人は別ですが、基本的に接骨院の職員数は5人程度です。
同僚なんて1人もできない場合も多く、一般企業と同じように「同僚と上司の愚痴を言い合って飲み明かすぜ!うぇーい!」的なことは夢のまた夢。
僕がそうでした。誰にも悩みを気軽に相談できず、1人孤独に戦い続けることが宿命づけられたのです…
遠方で働いていた専門学校の友人とたまに電話して、「どんな感じー?」と聞くくらいでしたね。
同僚がいる楽しい職場を夢見ている人は、なかなか叶わないのだと思っておきましょう。
メンタルが弱い人
あまり技術が必要とされない職場や、人間関係がドンピシャに合った職場で働かない限り、メンタルが弱い人は柔道整復師を続けられません。
本来あるべき柔道整復師の姿を目指そうと思ったら、厳しい鍛錬や過酷な現場を乗り越えるのは必須条件です。
本来あるべき姿ってのは、運動器障害全般への対応が“キチンと”できる柔道整復師のことですね。
- 施術に対するクレームを入れられた時
- ヒドい状態の骨折や脱臼をした患者の対応をすることになった時
- 整復がうまくいかなかった時
- 患者の状態が自分のせいで悪化してしまった時
- 患者の状態の見立てを間違えてしまった時
- 厳しい院長から激詰めされたとき
本気で仕事と向き合えば向き合うほど、感じるストレスは大きくなるため、強い覚悟や信念を持つ人でないと、メンタルがすぐにやられて辞めたくなるでしょう。
逆に言えば、テキトーに仕事すればするほど、ストレスはありません。でもそんなことで専門職に就く意味ってあるんですかね?
将来大きく稼ぎたい人
厚生労働省が運営する「job tag(外部リンク)」によると、柔道整復師として月に40万円以上稼げている人は、就業者全体の10%程度です。
さらに基準を上げ、50万円以上稼いでいる人ともなれば、全体の3%程度。
僕が柔道整復師の業界を諦めたのは、これが最大の原因でした。高度な技術を身につけたとしても、やりがい以外の部分で得られる対価は少なめなんですよね。
グループ会社を作り、社長やオーナーになれば話は別ですが、独立開業しても、そこまでのお金持ちになれる未来は描きづらいのが現状です。
向上心がなく努力ができない人
向上心がなく努力のできない人は、困難なことがあったときに「自分にはこの仕事は向いていないんだ」と感じて、すぐに辞めたくなってしまいます。
技術が必要とされない職場で働かない限り、新たな技術や知識を日々アップデートしていくのは、専門職に就く人間として当然のことです。
その当然のことを果たさず、技術や知識がないのに無理な患者対応をしてしまうと、大きな事故につながる可能性もあります。
必要な努力ができずに他人を傷つけるくらいなら、柔道整復師になるのはやめておきましょう。
柔道整復師としての努力ができない人は、多分仕事におもしろさを感じられてないんですよね。シンプルに自分がもっと興味を持てる仕事にシフトするべきかも!
「柔整師になるのはやめたほうがいい」という声に対する筆者の考え
柔道整復師になるかどうかは、あなたが何を求めているかによって違います。
お金や時間など、ワークライフバランスを重視したいなら間違いなくやめておいたほうがいいですし、やりがいを求める場合や柔道整復師としてのハッキリした目標があるならなるべきです。
結局のところ、どの仕事に就くにしても良い部分・悪い部分は必ずあるため、どんな人でも悩みます。
すべてを手にすることはできないため、なかなか踏み出せない人は、自分が絶対に譲れないものと、手放しても大丈夫そうなものの2つを紙に書き出し、折衷案を模索してみましょう。
働き始めて後悔したとしても大丈夫。僕みたいに30歳手前で急な方向転換をしても、なんとかやり直せます!迷ったら突き進んでみるのも1つの手かもしれません。
柔道整復師として後悔しないためには職場選びが超重要
柔道整復師になって後悔するポイントをご紹介してきましたが、辞めたくなってしまう原因は主に以下の3点です。
- 給料が低すぎる
- 狭い人間関係が疲れる
- やりがいがない
上記すべての後悔ポイントを回避するなら、良い職場に入るほかありません。
ほねたろは、リサーチ不足が原因でそそくさと退職した接骨院もありましたが、あなたも同じ目に合わないよう、以下のポイントを意識してもらいたいな!
- 労働条件
-
勤務時間や休日が明記されているかどうか。
- 給与・待遇
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給与の額面だけでなく、昇給や福利厚生についての記載があるかどうか。
- 職場の雰囲気
-
口コミの評価や、面接の際に感じたスタッフの雰囲気が良いかどうか。
- 業務内容
-
どんな患者さんが来院し、どんな症例に対応できるのか。
職場選びに失敗してすぐに退職してしまうと、職探しにかかる時間的・金銭的コスト(場合によっては引っ越し費用も)が無駄にかかってしまうため、上記のポイントは必ず確認しましょう。
柔道整復師になって後悔している人が今すぐ取るべき行動とは
柔道整復師として現在働いているものの、後悔して辞めようか迷っている人が取るべきアクションについてご紹介します。
1番良くないのは、不満を抱えながらも何もアクションを起こさないことなので、必ず何かしらのアクションは起こしましょう。
今の職場で死ぬほど頑張ってみる
現状に不満を抱えていたとしても、今の職場で死ぬほど努力をしてみると、また違った世界が見えてくることがあります。
今まで気付けなかったおもしろさに気付けたり、価値観が変わったり、何かが変わる糸口にはなるはずです。
不満がある中で努力するのはキツいことですが、起こすべきアクションの1つとして覚えておきましょう。
メンタルがまいってしまい、鬱になりそうな人はぜったいにこの選択肢を取ってはダメですよ!メンタルは一度壊れると、もとに戻りませんからね。あなたの心をおだいじに。
違う職場で働く
今の職場がツライなら、職場を変えることで柔道整復師としてのキャリアに新たな可能性を見出だせます。
ただし1点注意したいことは、必ず今よりも何かが優れた職場にするということです。
職場選びに失敗すると、同じ轍を踏むことになってしまいます。
あなたは何を重視したい?柔道整復師としてのプライドやスキル?給与面?待遇?今この場でしっかりと考えてみましょう。
もし悩んでいるなら、柔道整復師の転職サポートに頼ってみるのもおすすめです!
\柔整師に特化した転職サポートサービス/
他業種に転職する
柔道整復師としてのキャリアに限界を感じている人は、他業種への転職を視野に入れましょう。
医療関係以外のスキルがない場合は、早めに転職しないと、1番のアドバンテージである“若さ”がどんどん失われ、転職自体が難しくなってしまいます。
柔道整復師として得たコミュニケーション能力は決して無駄にはなりません。
自分の市場価値やスキルが活かせる分野をリサーチしてみて、キャリアチェンジの準備を進めましょう。
他業種への転職を考えるなら、今日からアクションを起こそう!下に記載した転職エージェントは、未経験可の求人も多いから参考になるよ!あとは、「ミイダス(外部サイト)」の可能性診断で自分の強みを知るのも勉強になっておすすめ。
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副業を始める
今の職場を辞め、転職をするのは少なからず失敗するリスクがあります。
リスクを最小限にするなら、今の職場で程よく頑張りつつ、副業を始めてみるのもおすすめです。
完全に僕はこのコースでしたね。働きながら、休日にブログやライターで食べていく方法を勉強していました。
今の時代は、元手がほとんどかからない副業がたくさんあります。
- ブロガー
- ライター
- 動画編集
- SNSの運行代用
- Webデザイナー
上記の副業がなぜおすすめかというと、実際に僕の友人で上記の副業をした結果、フリーランスとして独立して食べて行けている子がそれぞれの業種にいるからです。
僕も今では好きなことである程度自由に生きていますが、当時仕事をしながら勉強するのはめちゃくちゃ大変でした。休日はすべて返上で、日によっては15時間くらい勉強したことも…
いきなり個人事業主として生きていくのはハードルが高いため、ちゃんと給料がもらえている今この瞬間に、少しでも収入を増やせる副業は勉強しておくべきでしょう。
月に収入が1万円増えるだけでも、趣味に費やせるお金に余裕が生まれます。
ちなみにほねたろは、当時副業で得たお金を趣味のゲームに全ブッパしていましたとさ。
まとめ
柔道整復師の後悔するポイントを、実体験に基づいてかなり深く解説していきました。
そんな中でも、この記事で何がお伝えしたかったかと言うと、1番は「自分が何を求めているのかを明確にして欲しい」ということです!
どの道を選んでも悩むことはありますし、苦しい時期は訪れます。
大切なのは、自分が思い描いている理想の自分に向かえているかどうかです。
今真剣に悩んでいるあなたは偉い!ほねたろが褒めます!成長している証拠だよ!
たしかに今は大変かもしれませんが、今の環境でより頑張るのか、転職するのか、副業を始めて新たな可能性を模索するのかなど、選択肢はたくさんあります。
少しでも早く豊かな人生を送れるようにするためにも、何かしらのアクションは今この場から起こしてみましょう!
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